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 バックナンバー一覧メルマガ登録・解除・変更お問合せ 2004/1/7配信

自衛隊的年末年始


 あけましておめでとうございます。

 年末年始を営内で過ごされた現職自衛官の皆様、勤務ごくろうさまでした。
幸か不幸か大晦日上番の警衛勤務にあたって、警衛所や各哨所で銃を担いだまま除夜の鐘を聞いた方もいることでしょう。

 たぶん今も変わらないと思いますが、自衛隊の任務の特殊性を考えると、年末年始とて全員が一斉に休みを取ることはできません。

 私が現職の頃は、部隊の休暇を前段と後段に分けて交代で休みました。前段休暇は御用納めの日から1月3日まで、つまり年末年始を実家で過ごせます。
後段の休暇は1月4日から11日までで、世間はもうふだんどおり動いています。

 ここで問題になるのが、誰に前段休暇を割り振るか。年末年始を家でゆっくり過ごしたいのは、誰しも同じはず。古参の隊員に優先的に割り振るか、それとも自衛官になって初めての正月だから新入隊員に譲ってあげるか。難しいところです。ちなみに営外居住者は、ほとんどが前段休暇を取ります。正月に部隊へ出勤してきても、ぶっちゃけた話、することがほとんどないからです。それならば年末年始は家族水入らずゆっくり過ごして下さいということで、全員が納得の上でそうなっています。

 営内居住者は実家を離れて暮らしている身ですから、できれば前段休暇を取りたいはずですが、無理やり前段組に割り込んでやろうという者はいませんでした。その大きな理由はふたつあります。前段休暇は後段組と交代するために、休暇期間は一律に1月3日までと決められてしまいます。ところが後段組は後がつかえていないので、代休消化や有給休暇をプラスして1〜2日多めに休めるという“旨み”があるのです。

 もうひとつの理由は、大晦日の晩に各中隊ごとにやる焼肉または鍋パーティです。営内に残っている後段組が金を出し合って肉や野菜を買い、ふだん禁止されている営内での飲酒も解禁になって、紅白歌合戦を見ながら飲み会をやるのが恒例でした。正月に実家へ帰ってもどうせ寝正月だし、親戚への年始まわりも煩わしい。ならば営内で仲間たちと飲んでいる方が楽しいというので、毎年わざわざ後段休暇を希望する者がいるくらいです。

 誤解のないように申し上げておくと、後段組は前段組が休暇から帰ってくるまでのあいだ、留守番をしながら休んでいるのではありません。当直、警衛、糧食など勤務のある者はもちろん自分の仕事をしていますが、その他の隊員も休めるのは元日だけなのです。元日は祝日なので、当然に休みとなります。正月三ヶ日のうち2日と3日はどうかというと、さすがに大きな訓練はないものの、武器の整備をしたり銃剣道の練習などをやっているのです。もっとも、ふだんの訓練よりは楽なので、やはり前段休暇よりは後段休暇のほうが「楽ができる期間が長い」ということになるかもしれません。


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