ひらやんのブツクサ独り言   ON WEB
 バックナンバー一覧メルマガ登録・解除・変更お問合せ 2004/2/18配信

対案なき反対論の無意味さ

自衛隊のイラク派遣に関して、はじめに反対ありきでアンケート調査をしているWebサイトがあります(http://www.iraq-exam.net/)。サイトの運営者は自分の居場所も名前も明かすことなく、アンケートの回答者には名前と住所の記入を求めているのです。そんなアンケート調査に世論が反映されるのかという疑問は禁じ得ませんが、自由記述で意見を投稿できるページも設けられていて、一部は公開されています。

 反対派の意見を読んでいて、ふと疑問が湧きました。
「この人たちは、正しい情報を持っているのだろうか?」

 反対派の口から頻繁に出てくる言葉は「武力で平和を創れない」「派兵反対」「重武装の自衛隊が行けばかえって危険」、その他あまり現実的とは言いかねる言葉が目立ちます。

 武力で平和を創れないというのはまったくそのとおりで、自衛隊は戦争をやりに行くのではなく、復興支援の任務を帯びて派遣されています。だから「施設科」という職種の部隊を主力に編成されているはずなのですが、反対派の人たちは「自衛隊=武装集団=戦争」という、まるで絵に描いたような短絡思考に支配されているようです。

 それから、これも軍事知識の乏しいマスコミにも見受けられる誤りなのですが、イラク派遣部隊の装備は決して重武装ではありません。イラクで使用される車輌は軽装甲機動車、高機動車、96式装輪装甲車ですが、いずれも戦闘車両ではありません。外観がゴツイので戦車と間違えた人もいるようですが、ひらたくいえば「丈夫なクルマ」です。戦場で使うことを想定されているので火器の搭載ができますが、イラクへ派遣されることを前提にした装備ではなく、自衛隊車輌としての標準装備です。

 隊員が装備している火器は、小銃、拳銃、個人携帯対戦車弾、84mm無反動砲です。これまた軍事音痴のマスコミが個人携帯対戦車弾と84mm無反動砲を取り上げて「重武装」と表現していますが、いずれも戦闘単位としては最小の小銃班に装備される火器で、軽火器に分類されているシロモノです。戦車を撃破できる威力があるといっても、それは「当たれば」の話であって、しかも後方爆風が出るのでどこでもぶっ放させるわけではありません。射撃位置の後方に人がいないこと、射撃直後にその場から離脱できることなど、使用にあたって制限の多い火器でもあります。

 言論は自由ですし、賛否両論あるのはむしろ健全なことなので、イラク派遣に反対するのはけっこうだと思います。しかし、反対派から未だに対案が提示されないのはどういうことでしょうか。自衛隊がイラクに行くことが気に喰わないなら、部隊が現地で何をしていようが無視を決め込んでいればいいものを、やれ「今日もで自爆テロがあった」「宿営地の地代が高すぎる」「地雷が見つかった」と、いちいちイチャモンをつけているようにしか見えません。反対派独自の支援部隊を仕立ててイラクへ乗り込んで、自衛隊の活動を凌駕するほどの働きぶりを見せてくれたらたいしたものですが、彼らは安全なところに隠れて、まるでうわ言のように「反対、反対、自衛隊行くなーっ」と叫んでいるだけ。そして「自衛隊がダメなら、誰が行くんだ?」という疑問には一切答えていないのです。

 反対運動をやるなら当然に対案が必要ですし、対案が無いのであれば次第に支持を失い、まったく徒労に終ることでしょう。


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