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 バックナンバー一覧メルマガ登録・解除・変更お問合せ 2003/9/1配信

戦車と自走砲

 戦争報道で日本のマスコミがとんでもない軍事音痴である事実をさらけ出す場面は数多くありますが、中でも最も多い間違いは、戦車と自走砲の区別がつかないことでしょう。

 先のイラク戦争で米軍に同行取材していた某局の女性記者が放った一言を、私は聞き逃しませんでした。
「155ミリ砲を搭載した戦車が――」

 ひょっとするとどこかで開発されているのかもしれませんが、少なくとも米軍にそんな戦車はありません。彼女は自走砲を見て戦車だと思ったのです。

 装甲を施した車体に砲を搭載してキャタピラで走る戦闘車両。外見はよく似ていますが、戦車と自走砲はそれぞれ用途が異なります。

 戦車は機動性に優れ、敵の戦車と直接撃ち合うことが想定されているので、自走砲より強固な装甲を持っています。また回転砲塔によって360度どの方向へも射撃できます。

 一方、自走砲は原則的に砲塔を持たない「自走できる砲」であり、車輌ではなく「火砲」に分類されます。比較的後方からの火力支援を主任務として、戦車砲より大口径の榴弾砲を搭載しています(戦車に搭載されているのはカノン砲)。

 もっとも現代の自走砲には回転砲塔を持つタイプもあるので、兵器に馴染みのない民間放送局の記者に見分けられなかったのは、無理からぬことなのかもしれませんね。


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