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 バックナンバー一覧メルマガ登録・解除・変更お問合せ 2004/3/17配信

自衛官の叙勲と顕彰

 日本には現職の自衛官に対する叙勲制度がありません。自衛官への栄典は防衛庁が定める表彰制度のみで、在職中に勲章を授与されることはないのです。
勲章の授与とまで言わなくとも、黙々と任務に精励する自衛官に対して感謝と尊敬の念を表すことは何ら不自然なことではありません。

 このことに国もようやく気づいたのか、平成15年5月20日に「危険業務従事者叙勲」の制度が閣議決定されました。

 この制度は、自衛官や警察官など危険性の高い職務に従事し、職を退いてからもいろんな形で社会に貢献している人の励みとする意味で設けられました。
『受賞者は毎年4月と11月にそれぞれ3600名の予定者が発令され、総務大臣、法務大臣、国土交通大臣、国家公安委員会委員長及び防衛庁長官(以下「関係大臣」という)は、著しく危険性の高い業務に精励した者のうちから、国家又は公共に対する功労のある55歳以上の者を選考し、毎回、危険業務従事者叙勲候補者として内閣総理大臣に推薦する』とされています。ただし、55歳以上という年齢制限があるので、同じように危険な業務に携わっても、若い自衛官への叙勲はありません。しかし現職の自衛官が叙勲の対象になったことは大きな前進といえるでしょう。

 一方、産経新聞社は平成14年、独自に「自衛官顕彰制度」を設けました。危険業務従事者叙勲制度が閣議決定される1年前のことです。警察官や消防官を顕彰する制度は何十年も前からありましたが、なぜか自衛官のみを対象とする顕彰制度はありませんでした。

 あらためて言うまでもなく自衛官は「ことに臨んでは危険を顧みず」任務に従事し、職務上遭遇する危険を回避することが許されていません。つまり命を賭して任務を遂行しなければならない特殊な職業です。そうした立場にある自衛官に敬意と感謝の念を込めて、産経新聞社は国家に先駆けて「国民の自衛隊」を顕彰する制度を設けたのです。本来ならこれは一民間企業がやることではなく、まずは国家が当然にやるべきことでした。

 叙勲制度にしろ顕彰制度にしろ遅きに失した感はあるものの、こうして当然のことを当然に実現していくのは、この国が「ふつうの国」としての姿を少しずつ取り戻している足跡のひとつなのかもしれません。


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