ひらやんのブツクサ独り言   ON WEB
 バックナンバー一覧メルマガ登録・解除・変更お問合せ 2004/3/31配信

理想と現実

 イラク戦争開戦1周年を迎えた3月20日、世界各地で反戦デモが繰り広げられました。日本でも市民団体とか平和団体と称する団体が、プラカードを掲げて「戦争はんたーい」のシュプレヒコールを繰り返していました。そして自衛隊のイラク派遣反対を叫んでいたのです。

 言論の自由な国家ですから、イラクへの自衛隊派遣に反対する意見が出てくること自体はむしろ健全な姿であると思っています。ですから反対運動そのものに異議を唱えるつもりはありません。問題は反対運動の中身なのです。

 自衛隊のイラク派遣に反対する人たちの意見を、あらためて検討してみました。最も多いのが「憲法違反だから」という意見でした。日本はたしかに「国際紛争を解決する手段として」の武力行使を禁じています。だからイラクへは戦争をしに行くのではなく、復興支援という目的が明確に掲げられています。

 日本国憲法の前文にはこのように明記してあります。
《日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した》

 自衛隊がイラクへ派遣される目的はまさに憲法の目的を具現化しようとする努力のひとつなのです。「派遣」を「派兵」とわざと間違えて、反対運動の規模を広げるためだけに人を集める行為は厳しく批判されなければなりません。
人を集めた以上は、正しい情報を正直に認識して教育する責任が生じることを、反対運動の指導者たちは肝に銘じるべきです。
 
 反対意見のひとつに「小泉首相は説明責任を果たしていない」というのがありました。果たしてそうでしょうか。国民に向けて説明をするという責任は果たしているはずです。その説明を理解できるか否かは、説明を受ける側の責任になります。ましてや「はじめから拒否している」「聞く耳を持っていない」という態度では、どんなに言葉を尽くしてもまず通じないでしょう。

 そして、こういう意見もありました。
「NGOやNPOに任せればいい」

 NGOやNPOは、もしテロ攻撃を受けたときに自ら身を守れる手段を持っていません。
また食料をはじめとする必要な物資を調達できる機能もなければ、資金力もないでしょう。
たとえば車輌ひとつ動かすにも、まず車輌が必要です。そして燃料、ドライバー、整備要員、整備用の部品と工具、それらを調達して輸送する手段は?――と考えると、実際に活動する要員よりも、じつはバックアップのための物資と要員のほうが多く必要なことが分かります。
食事の準備にしてもそうですし、他の全てのことにあてはまることです。民間のボランティア組織にできることではないのです。

 自衛隊とは別組織で行なうべきだとか、自衛隊でなくてもできるはずだと考えている人は、本気でそう考えているならば、ぜひ具体的な計画案を作って国民の前に公表してもらいたいものです。それが反対運動を行なう者の責任ではないでしょうか。


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