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 バックナンバー一覧メルマガ登録・解除・変更お問合せ 2004/6/16配信
階級の呼び方が変わる?

 自民党国防部会の防衛政策検討小委員会が、自衛官の階級呼称の変更を検討しているそうです。

 自衛隊の前身である警察予備隊が創設されたとき、旧軍のイメージを引きずらないように気を遣うあまり、「2等警査」とか「1等警察士」など軍隊と警察を足して2で割ったような奇妙な階級呼称が考え出されました。

 また「歩兵」を「普通科」、「砲兵」を「特科」、「戦車」を「特車」と言い換えて「あくまで軍隊ではない」という涙ぐましいまでのアピールをしてきたのです。さすがに今では「特車」とは言わず戦車という言い方に戻されてますが、普通科と特科はそのままで、さらに「作戦」を「運用」と言い換えるなど、まだまだ歪な側面が随処に見られます。

 国内法上の位置付けはどうであれ国際法上は軍隊であり、海外へ行けば日本軍として扱われるのが自衛隊です。国際情勢や国内世論の変化に伴い、もうそろそろ潔く「自衛隊は軍隊である」という確固たる地位を与えて、階級呼称も「ふつうの軍隊」のものに変更しようという動きが出てきても不思議ではありません。

 自衛隊の階級は、下は3等陸士から上は将まで17段階に分かれています。
 そして陸士・陸曹・将補と将を除く幹部はすべて1等〜3等に区分されています。階級を略すときは、たとえば1等陸士は「1士(いっし)」、3等陸曹は「3曹(さんそう)」、2等陸尉は「2尉(にい)」と数字で呼んでいます。階級を数字で呼ぶ軍隊は、世界中捜しても自衛隊ぐらいでしょう。

 自民党で検討されている変更案は、単純に旧軍の呼称に“戻す”というものです。ですから2等陸士は二等兵、陸士長は上等兵、1等陸佐なら大佐となります。

しかしそうなると、ひとつ問題が発生します。自衛隊の階級は旧軍より細かく分かれているので、単純に当てはめることができません。
前述した陸士長を単純に上等兵に変えてしまうと、3等陸士は三等兵ということになります。逆に3等陸士を二等兵にすると陸士長は兵長となり、兵の階級はこれで帳尻が合います。

ところが今度は陸曹の階級がひとつ余ってしまうのです。旧軍では下士官の階級は曹長から伍長まで3階級でしたが、自衛隊では1〜3曹の上に曹長があるので4階級なのです。

3曹を伍長だとすると「旧軍の曹長」は「自衛隊の1曹」に相当するため、自衛隊の曹長が浮いてしまうのです。
現在の曹長については新たにどんな階級呼称にするのか、これまた問題なのです。

同様に旧軍では大将から少将まで3階級あった将官が、自衛隊では将と将補の2階級しかありません。つまり自衛隊の最上級は中将なのです。ですから大将をあらたに設けるのか否か、これも議論しなければならないでしょう。


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