ひらやんのブツクサ独り言   ON WEB
 バックナンバー一覧メルマガ登録・解除・変更お問合せ 2004/8/25配信
中国サポーターの反日行動に思う

 サッカーのアジア・カップで決勝が行なわれた日、中国のサポーターが反日感情をむき出しにして日の丸を焼いたり、役員が乗ったバスに選手が乗っているものと勘違いしてペットボトルを投げつけるなどの行動に出た騒ぎは、まだ記憶に新しいでしょう。同じ日、日本の公使が乗った車が中国のサポーターたちに包囲され、故意に破損させられました。中国の日本大使館は先日、中国政府に対して正式に抗議し、損害賠償を請求したそうです。
 
 日本では「反日感情のあらわれ」として報道されていますが、中国人サポーターの頭に巻かれていた鉢巻には、はっきりと「抗日」の文字が染め抜かれていました。「反日」とは、感情的に日本が嫌いというレベルでとらえてよろしいかと思いますが、こと「抗日」となると話は違ってきます。「日本に抗(あらが)う」、つまり日本を敵視していることになるからです。
 しかし舞台はスポーツの祭典です。競技に先立って対戦両国の国歌が吹奏され、国旗が掲揚されます。選手・役員はもちろんのこと、観客席にいるサポーター、そして実況中継を担当するアナウンサーも本来は静粛にしていなければなりません。それが国際的に常識とされている礼儀でありマナーなのです。にも関わらず、北京で行なわれた決勝戦は言うに及ばず、日本チームが出場する試合ではことごとく国歌吹奏中はブーイングの嵐。礼儀もマナーもあったものではありません。
 中国はこれまで愛国教育の一環として「反日思想」を国民に植え付けてきました。そうすることで国家体制に対する不満の矛先を日本へ向けさせることができ、13億人の国民を支配できるからでした。日本が中国に対して行なっている巨額のODAは、中国の一般民衆には知らされていません。日本人はあくまで憎悪の対象でなければならないのでしょう。
 そして対外的には、中国はことあるごとに戦後補償と謝罪を求めつづけ、お人よしの日本人はそのたびに謝り、巨額のオトシマエを取られていたのです。
 先日、あるTV番組で、日本に留学または定住している中国人たちをスタジオに集めて、
「君たちは、日本人にどれだけ謝ってほしいのだ? どうすれば気が済むの?」
 と問う場面がありました。それに対してある女子留学生は「いったんは謝っても、国のトップが変わるとまた違うことを言う」と不満そうでした。彼女の言葉を裏返すと、日本は中国に対して未来永劫ずっと謝り続けねばならないことになります。またこの番組から私が感じたのは、中国の人たちは日本が一方的に中国を苦しめた国だと思っているのではないかということです。
 中国という国は異民族どうしの侵略と戦争の中で幾度も形を変え、中華人民共和国の成立後でもなお文化大革命によって2600万人の同胞を大粛清した歴史があります。時代がさかのぼり過ぎるかも知れませんが、約800年前には二度にわたって日本への侵略を試みて、対馬の住民を大量に虐殺しているのです。
今の中国の指導者たちは「当時とは時代が違う」「国家体制も違う」と反論するでしょう。ならば日本だって、第二次大戦に敗れてから国家体制が一新しました。戦争当時の国家指導者たちは戦争犯罪人として処罰されました。A級戦犯が靖国神社に合祀されているから首相や閣僚が参拝するのはけしからんと憤慨するのはお門違いも甚だしく、中国を含む連合国が勝手に戦争犯罪人に仕立て上げて報復的に裁いただけのことです。その証拠に、連合国側の戦犯は裁かれていないのですから。しかも報復的に裁かれた人たちは、もし罪があるとしても処刑されることによって免責されているし、サンフランシスコ講和条約の発効後には全員が名誉を回復されています。

 さすがに今回の中国人サポーターの「無礼」な振る舞いには、日ごろから中国には及び腰の政治家たちも怒り心頭のようです。2008年の北京オリンピックをボイコットするという過激な話まで飛び出しています。また欧米のマスコミも中国に対して、オリンピックを開催する能力を疑うような論調が目立つといいます。
 中国の一般民衆の大半は、国歌と国旗は厳粛なもので、礼を尽くすべき対象であるという感覚が育っていないといわれています。国家の意思としてわざと教育していないのですから。今回の騒ぎで「世界中から笑われている」という実感を持ったかどうかは分かりません。現地の新聞には「平穏だった」と書かれているので、現場にいたわずかなサポーターが真実を知っていても13億人の耳には届かないのです。
 
 批判を恐れずに申し上げるなら、中国に対する戦後補償と謝罪はもう終った――と、私は思っています。しかしこれからも中国は、外交カードとして戦後補償問題を持ち出してくるでしょう。しかしそんな場面になっても、日本の首相・外相・そして外交官たちは臆することなく、堂々と日本の立場を主張するべきです。むしろ反対に中国人サポーターによって国旗を焼かれたこと、公使の車を破損させられたこと、日本チーム応援のために現地に行っていた日本人の身に危険な状態が生じていたことに対して、はっきりとオトシマエをつけるよう要求してもいいと思うのです。
 主張すべきは主張し、反論すべきは反論してこそ、正常で健全な国交が可能になるのではないでしょうか。


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